うつ病は、この記事では大うつ病として知られる精神疾患を指す。 患者は、通常外来患者として評価・管理し、患者が自分自身や他人に危険をもたらすと考えられる場合のみメンタルヘルスユニットに入院させる。
最もうつ病で共通する治療は、心理療法・薬物療法・電気ショック療法(重症では)である。
詳細は「抗うつ薬」を参照
最も効果のある薬物治療を見つけるため、薬の種類と量は頻繁に調整すべきであり、違った抗うつ薬の組み合わせ、別種の薬物を試すことが求められる。最初の薬物への反応率は50%程度と低い。[1]
[編集] 薬物療法と心理療法の有効性
抗うつ薬は統計的にプラセボよりも優れているが、しかし全体的な効果は低から中程度である。多くの場合、国立健康臨床研究所による臨床有意基準を満たせない。 とりわけ、中程度のうつには効用は非常に小さいが、非常に深刻なうつの場合臨床的有意性は上がっている。[2][3]
[編集] 医療機器による治療
[編集] 電気けいれん療法
詳細は「電気けいれん療法」を参照
[編集] 他の治療方法
[編集] セントジョーンズワート
セントジョーンズワートの抽出物は、軽度および中等度のうつ病治療にヨーロッパで広く使用されている。ヨーロッパのいくつかの国では処方抗うつ薬であり、米国では店頭販売のハーブサプリメントである。大うつ病に対しての効果についての意見はさまざまである。
コクランレビューによる37の体系的メタアナリシスによると、プラセボと比較して弱から中程度の統計的差異が確認された。同様のメタアナリシスでは、大うつ病に対して処方抗うつ薬との違いは無かった。[4]NCCAMとその他のNIH-傘下団体は、セントジョーンズワートは大うつ病の治療には、プラセボと比較してminimalか効果なしとの結論であった。[5][6]
[編集] 漢方薬
漢方薬では、柴胡加竜骨牡蛎湯・半夏厚朴湯・加味帰脾湯・加味逍遙散が主に用いられる。[7]
[編集] SAMe
[編集] 反復経頭蓋磁気刺激
反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)は、複数の研究で支持されており、ヨーロッパ・カナダ・オーストラリア・米国で適応承認されている[8]。
2008年のメタアナリシスでは、うつ病の治療に対して堅牢な効果が発見され、単純なうつ病と薬物耐性うつ病の両方で同じように効果的であった。[9] しかしながら、横並びの無作為比較試験ではECTに劣っていた。[10]
[編集] 迷走神経刺激
[編集] 代替医療
[編集] 睡眠衛生
うつ病は一般的に睡眠不足(入眠困難、早朝覚醒、日中の一般的な倦怠感)に関連付けられている。 抑うつと睡眠不足の2つの相互作用により症状を悪化させる。 良い睡眠衛生によってこの悪循環を断ち切ることが重要な助けとなる。[11] それには標準就寝時間の確保、カフェイン等の覚醒物質を絶つ、睡眠時無呼吸のような外乱要素の治療などがある。皮肉にも、睡眠短縮(断眠療法など)はうつ病の一時的な治療である。[12]
[編集] 高照度光照射療法
詳細は「高照度光照射療法」を参照
発熱のために何をすべきか
全米精神科医協会による高照度光照射療法についてのメタアナリシス調査では、季節性情動障害と非季節性情動障害の両方においてプラセボよりも効果が確認され、効果は標準の抗うつ薬治療と類似であった。 非季節性情動障害では、標準の抗うつ薬治療に追加で光療法を行うことは効果的でなかった(not effective.)[13]
[編集] 鍼治療
2004年のコクランレビューでは、低い品質のエビデンスベースだが、鍼治療がうつ病の治療に効果があるかどうかのエビデンスはinsufficientと結論付けている。[14]
臨床試験では、鍼灸の効果はアミトリプチリンと同等の効果が示されている。加えて、とりわけ電気鍼では更に効果があり、うつ病患者の 3-methyl-4-hydroxy-phenylglycol (中央神経伝達物質ノルエピネフリンの主な代謝物) の減少をもたらす。一方で、デキサメタゾン抑制試験では、アミトリプチリンはその抑制では更に効果があった。[15] 鍼は体内のエンドルフィン生産レベルを引き上げることが証明されている。[16]
[編集] 運動
[編集] 脳深部刺激
[編集] 冷水治療
Nikolai Shevchukによる研究では、冷たいシャワーを浴びることはうつの治療を助ける効果があると主張している。氏は冷たいシャワーは脳の主要なノルエピネフリン元である locus ceruleus や blue spot を刺激するという生物学的説を主張している。またβ-エンドルフィンのレベルに影響するとしている。[17]
[編集] トリプトファン
アミノ酸であるトリプトファンは、セロトニン・メラトニンといったモノアミン神経伝達物質などの前駆体として重要である[18]。
コクラン共同計画のメタアナリシスではトリプトファンについての108の臨床試験のうち2つの試験しか十分な精度を有していないことを明らかにした。その結果、トリプトファンの十分な効果の証拠が認められないのでうつ病治療に推奨できないと結論付けた[19]。
[編集] 低フルクトース食
[編集] オメガ3脂肪酸
ヒト及びその他の動物にとっては、体内でω-6脂肪酸(リノール酸等)とω-3脂肪酸(α-リノレン酸、DHA等)の2系統の多価不飽和脂肪酸を合成できないので必須脂肪酸となっている. うつ病が20世紀になって増加しているがω-6脂肪酸を多く含む植物油の摂取が増加したことと軌を一にする。うつ病患者においてはω-6脂肪酸からアラキドン酸を経て生成される炎症性の生理活性物質であるエイコサノイドのレベルが高いということが示されている[20][21]。シーフードをたくさん摂取するところほど母乳内のω-3脂肪酸のドコサヘキサエン酸(DHA)は高く、産後うつ病の有病率は低かった。母体から胎児への転送により、妊娠・出産期には母親には無視できないω-3脂肪酸の枯渇の危険性が高まり、その結果として産後のうつ病の危険性に関与する可能性がある。また、うつ病の深刻さと赤血球中のリン脂質におけるω-6脂肪酸のアラキドン酸とω-3脂肪酸のエイコサペンタエン酸(EPA)の比率の間に有意な正の相関が認められた。さらに、健常者と比較してうつ病患者はω-3脂肪酸の蓄積量が有意に低く、ω-6脂肪酸とω-3脂肪酸の比率は有意に高かったことが指摘されている[22]。なお、DHAは脳内にもっとも豊富に存在する長鎖不飽和脂肪酸である[23][24]。
一方で、18の症例でω-3脂肪酸の摂取がほとんどうつ病に効果がなかったとの報告もある[25]。
背中の痛みの治療
[編集] DHEA
[編集] 亜鉛
[編集] リチウム
[編集] マグネシウム
[編集] 頭蓋電気刺激療法
[編集] 緑茶/ホワイトティー
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1800減量
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