2012年5月8日火曜日

HIV急性感染症と全身発疹 | HIV(エイズ)検査完全ガイド


このページでは、HIV急性感染症と発疹についてあなたに情報をお伝え致します。
かつての私と同じように、全身の発疹によってHIV感染の不安を持つあなたに参考にして頂ければ幸いです。

実は、前回のコラムで「HIV急性感染症と帯状疱疹」と言うタイトルの体験記を書きました。本当は、その記事と今回の記事を1つにしたかったのですが、あまりにも記事が長くなりそうだったので、2回に分けることにしたのです。

さて、前回のコラムで、私が風俗で遊んだ後に、帯状疱疹を発症し、それがHIV急性感染症ではないかと不安になった体験をお話しました。帯状疱疹は、そんなにめったにかかる病気ではないので、HIVに感染し免疫力が低下したのが原因だと思ったのです。

また、HIVやエイズ関連の色んなサイト、専門書を見ると、帯状疱疹を発症したら、HIV検査を受けることをお勧めする、といった内容の記事がごまんとあります。こうした記事を次から次へと読んでいると、さすがに不安になってきます。

しかも、私の場合には、その帯状疱疹の前に、もう1つHIV感染を疑わせる異変が起きていたのです。だから余計に自分はHIVに感染していると思い込みました。

・・1.全身に発疹が出た


その異変とは、全身の発疹です。それはもう、思い出したくもないほどひどい発疹でした。

一番最初は、胸や腕に、蚊に刺されたような発疹が数カ所出ました。痛みと痒みが混ざったような気持ち悪い発疹でした。その発疹は、突然出て来たのです。何か、腕や胸が痒いな、と思ったら発疹がもう出ていました。

私は痒みどめを塗って、そのままにしておきました。すると、翌日にはすっかりその発疹は消えていたのです。

そんなことが、数回あったのですが、発疹の原因は分かりませんでした。何かのアレルギーかな、とも思いましたが今までにそんな経験もなく、訳がわかりません。結局、放っておけば治るし、医者に行くことまでは考えないままでした。

ところがです。そんなことを数回繰り返した後に、とんでもない異変が起きました。ある日、私は会社から帰ろうとして、会社の駐車場を歩いていました。歩きながら、何か腕がかゆいな、と思いました。

でも、夜の8時過ぎで、会社の駐車場は灯りも少なくてうす暗く、腕がどうなっているのかよく見えませんでした。私は車に乗って、車内の灯りで腕の痒い部分を見てみました。そこには、赤い発疹がいくつも出ていました。


"しゃっくりと食生活"

またかぁ・・・私は一瞬、そう思いました。とにかく、自宅に帰るしかありません。だいたい、車での通勤時間は50分程度なのです。腕のかゆいのを我慢して運転していると、今度は足首のあたりが痒くてたまりません。

今までは、腕や胸など、上半身だけに発疹は出ていました。今度は足にも出て来たのかな・・・と思いながら、とにかく痒みを我慢して自宅に急ぎました。

そして、自宅に戻るなり、部屋の明るい照明の下で、パンツ1枚になって調べました。その時、私は自分の身体に何が起きているのか、まるで分かりませんでした。

全身が、それこそ顔から下、足首までが真っ赤なのです。ものすごい発疹です。全身を埋め尽くすような発疹が出ていて、我ながら気持ち悪くて目まいがしそうでした。

今までのポツリ、ポツリとは丸きり程度が違います。もちろん、こんな発疹は生まれて初めてです。発疹に触ると痒いのですが、触らなければそれほど痒くもありません。私は、しばし呆然として、妻や娘と相談しました。

絶対に病院に行くべきだと、妻は言いました。もう夜の10時近くになっていましたが、救急病院なら開いています。体温を測りましたが、平熱で異常はありませんでした。どうしよう。もう少し、様子を見てからにしようか・・・。私は迷いました。

でも、どう考えても尋常ではありません。こんな発疹が出るのは、必ず身体のどこかに原因となる異常があるはずで、早く診てもらった方がいいに違いないと言う結論に達しました。

さて、救急病院へ行こうとして、出かける寸前、私はまた身体の異変に気付きました。帰宅から2時間ほど経過していたのですが、明らかに発疹が減っています。先ほどまで、全身を覆い尽くしていた赤い発疹は、いつの間にか半分くらいになっていました。

私は、急きょ病院行きを保留にし、しばらく様子を見ることにしました。すると、帰宅してから4時間ほど経過した段階で、あの気持ち悪かった発疹は、ほとんど消えていました。もう、何が何だかさっぱり分かりません。

・・2.病院に行ったけど・・・


しかし、さすがにあの発疹の気持ち悪さは生々しく記憶に残り、何もなかったことには出来ませんでした。いつまた、発疹が出てくるかも分からない。そう思うだけで恐ろしくなり、私は翌日、病院へ行きました。

むろん、自分では原因はさっぱり分からないので、大きな総合病院に行きました。昨夜の状況を思いだしながら、先生に話しました。全身に出る前に、腕や胸に出ていたことも話しました。


"国会議事堂の背骨と痛みセンター"

先生のお話では、食べ物でのアレルギーではなさそうだと言うことでした。食べ物でアレルギー反応が出た場合には、その原因となる食べ物が体内に残っている間は、アレルギー反応が続くものらしいのです。

私の場合は、急に発疹が出てきてから、3時間くらいして消え始め、5時間くらいでほぼ全部消えたのです。食べ物が原因でのアレルギーだと、そんな短時間で消えることは考えにくいと先生は言いました。

私の話から、一番可能性が高いのは化学物質によるアレルギー反応だと先生は言いました。しかし、私はその日に限って特別な環境や材料、業務を経験した訳でなく、いつも通りに会社での時間を過ごしました。何も心当たりがありません。

また、先生は精神的なストレスから発疹が出た可能性もあると言いました。それは・・・ちょっと心当たりがありました。当時は出張で国内外を飛び回っており、肉体的にも精神的にも、かなり慢性的に疲労を覚えていたのです。

とにかく、病院に行ったときには昨夜の痕跡は跡かたもなく消えており、先生も調べようがないとのことでした。次にまた発疹が出たら、すぐに病院に来なさいと言われました。

そして、それ以後、全身の発疹は一度も出ていません。たまに、腕や胸にはポツポツと出ることがあるのですが、そのままにしておけばすぐに消えるし、病院には行きませんでした。

さて、これが私の体験した発疹異常です。当時は、これも何かの精神的なストレスから来てるんだろうと、自分を納得させていました。

しかし、ずっと後になって、例のHIV急性感染症を疑う状況になったとき、この全身の発疹を思いだしました。そして、間違いなくHIVに感染したことが原因だと思い込んでいました。

・・3.HIV急性皮疹とは?


さて、私は突如として私の体中に現れた発疹を、HIVに感染した初期症状だと思い込みました。確かにHIVに感染するとその初期症状として発疹が出ることがあります。これを「HIV急性皮疹」と言います。

HIV急性皮疹には次のような特徴的な症状があります。

●直径5mmから10mm位の紅斑丘疹が出る。紅斑丘疹とは、皮膚が小さい範囲で盛り上がり、赤くなる発疹です。

●発熱、筋肉痛、リンパ節の腫れ、下痢などの症状を伴う。

●発疹は1週間から2週間くらい続き、自然と消えてしまう。

私の場合は数時間で発疹が消えてしまったので、この点がHIV感染による発疹とは異なります。でも、こんな知識は最初知らなったのでHIV感染が不安でたまりませんでした。


レスリングで男性が摂食障害を扱う

・・4.あなたに伝えたい2つのこと


さて、帯状疱疹に引き続いて全身発疹の経験談をお話させてもらいました。この2つの体験談で、私があなたにお伝えしたいことは2つあります。

まず、最初の1つ目はどんなに怪しい症状があっても、HIV検査を受けるまでは絶対に感染の有無は分からない、ということです。

怪しすぎるくらい怪しい私がHIVに感染していなかったのですから、あなたにも同じような症状が出たとしてもそれだけでHIVに感染していると決めつけないでください。早合点して落ち込んだりしないでください。

そして2つ目にあなたにお伝えしたいことは、だからと言って全くHIV感染の可能性を無視するのも危険です、と言うことです。

何故なら、HIV感染による皮膚疾患が多いのもまた事実だからです。勝手な思い込みで不安になる必要もないですが、軽くみて無視するのも危ないのです。

私が最近読んだ『HIV感染に伴う皮膚疾患』(Visual Dermatology 秀潤社)にはHIV感染による皮膚疾患が詳しく書かれていま す。

同誌によると私が経験した帯状疱疹、全身の発疹、それに斑点や腫瘍など、HIV感染が原因で発症する皮膚疾患はとても多く、HIV感染 者の約90%が何らかの皮膚疾患を発症していると書かれてあります。

ですから、もしもあなたにも皮膚疾患が出てきたら、症状によってはHIV検査を受けた方がいいと思います。万一HIVに感染していれば、エイズ発症前に感染を知ることが出来ます。

ただ、あなたを診察した 皮膚科の医師が、HIV感染まで考慮してくれるかどうかは分かりません。私の帯状疱疹を診察してくれた個人クリニックの医師も、全身発疹を診てくれた総合病院 の皮膚科の先生も、どちらもHIVについては何も言ってくれませんでした。

HIV感染者の90%が皮膚疾患を伴うのに、皮膚科の診療現場でHIV感染者が見逃されるケースは多く、複数のHIV医療専門書で問題指摘されています。

素人の私が思うに皮膚科の先生でHIV感染者やエイズ患者を医療現場で 診た経験のある人は少ないのだと思います。皮膚疾患からHIV感染を疑う習慣がないのではないでしょうか。

しかし、あなたは医師の指示がなくても、HIV感染への疑いを持ってHIV検査に臨まれることをお勧め致します。私の場合は幸いにもHIVに感染していませんでしたが、もし感染していれば早期発見のチャンスを見逃すところだったのです。


こうしたHIV感染をうかがわせるサインを見落として「いきなりエイズ」を発症する人が沢山います。エイズ動向委員会の調査では、ここ数年、日本ではHIV感染者の約30%が自分のHIV感染に気がつかないまま「いきなりエイズ」を発症しています。

今やエイズは致死的疾患ではなく、死亡する患者は激減しています。それであってもなお、発見が遅れてしまえば治療は困難であり、場合によっては死に至る恐ろしい病気であることは間違いありません。

「いきなりエイズ」発症前にHIV感染が見つかればエイズ発症を防ぐことも出来ます。近年エイズ発症までの潜伏期間が短くなっており、より早期のHIV検査が重要になっています。HIV検査はあなたにとって救命的検査になるかも知れません。

あなたが「いき なりエイズ」を発症しないよう、早期のHIV検査を受けられることを願っています。

最後に、私が自分のHIV感染を疑ったときに使用した検査キットをご紹介します。あなたが保健所に行く時間がなかったり、誰にも知られたくない、会わずにHIV検査を受けたいと思うならこれがお勧めです。

*私が全身発疹で不安になったとき使ったHIV検査キットです。10分で終わりました。

・STD研究所 STDチェッカー TypeJ(男女共通)

■この検査キットの信頼性についてはこちら⇒検査の信頼性
■この検査キットを使用した人の声はこちら⇒利用者の声情報

HIV感染に伴う皮膚疾患は多種多様です。少しでも心配、不安なら検査しかありません。



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